リッチ・ピアーナ(Rich Piana)を初めとして、筋肉の増量と肥大を目的に、アナボリック・ステロイドのみならず、インスリン(Insulin)を乱用するボディビルダーもいる。ピアーナは2017年に突然死に近い形で死亡しており、インスリンの乱用を疑う声がある。インスリンはステロイドと同じく、筋肉の成長を促す同化作用が強く、ボディビルダーたちが服用している。また、インスリンはすでに血中にあり、検出されることが無い。インスリンは身体を太らせる作用が非常に強いホルモンであり、ボディビルダーたちが理想として描いている肉体の構築を困難にする。インスリンを乱用するボディビルダーが増えていることについて、『ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディスン』(British Journal of Sports Medicine)に掲載された論文「Insulin as a drug of abuse in body building」(『ボディビルダーたちによる乱用薬物としてのインスリン』)では、「筋肉を肥大させる目的でのインスリンの服用は非常に危険である」と警告している。