神秘の降誕 - オンラインパズル

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神秘の降誕

『神秘の降誕』(しんぴのこうたん、伊:Natività mistica)は、イタリアのルネサンス期の巨匠、サンドロ・ボッティチェッリによる1500-1501年ごろの絵画で、ロンドンのナショナル・ギャラリーに所蔵されている。ボッティチェリは、カンヴァス上に油彩で本作を描いた 。画家の唯一の署名された作品であり、「キリストの降誕」としては稀な図像を有している。

画面上部のギリシャ語の碑文は次のように解釈される。「私サンドロがこの絵を制作したのは、イタリアが一時代半続いた混乱のさなかにあった1500年の終わりであった。この混乱期は福音記者ヨハネの第11 章にある黙示録第二の災い、3年半にわたり悪魔が野放しになる期間であったが、その後この悪魔は第12章で記されるように鎖に繋がれるであろう。そして、この絵画のように (悪魔が葬られる) のを見るであろう」。ボッティチェッリは、おそらく当時のヨーロッパの激動のせいで、艱難時代に生きていたと信じており、黙示録に述べられているようにキリストの千年紀を予測していた。

本作は、ボッティチェッリの晩年の絵画の多くに影響が現れているジロラモ・サヴォナローラと関連している可能性があることが示唆されている 。とはいえ、絵画の内容は作品を依頼した人物に指図されたのかもしれない。聖母マリアと幼子イエスを他の人物、および周囲の事物よりも大きく表すという中世の慣習を使用している。ボッティチェッリによる以前の作品は正しい図像的遠近法を使用しているので、これは確実に効果を上げるために意図的に行われたものである。